ボノボが戦争しない理由 ~ボノボの家族計画は神のみえざる手が操っていた~

2016年3月27日 at 6:07 PM

ボノボにおいては食と性が統合されているというお話を前回しました。羨ましいですね。(笑)
しかし、ボノボにはもう一つ、人間が羨むべきことがあります。それは、戦争のない、平和な社会を築いていることです。あんまり理想化するのもよくないですけど、チンパンジーのような子殺しや共食いはボノボでは観察されていません。
京都大学が2014年に最新の調査結果を発表しています。

チンパンジーでは、集団間、集団内の同種間の殺しや共食いがしばしば報告されてきました。ある研究者たちはこれをチンパンジーの雄の繁殖戦略の一つだと考え、ヒトとチンパンジーがともに共通祖先から受け継いでいる攻撃性の表れだとしてきました。しかし一方、これが生息地のかく乱や餌付けによる人為的影響の結果として表れる行動だとする研究者もおり、また、チンパンジーによる同種殺しとヒトに見られる戦争や殺人行為を安易に結びつけて考えることに対する批判もありました。
これらの仮説の検証を行うため、本研究グループは、50年間にわたって研究されたチンパンジー18集団およびボノボ4集団から得られた情報をまとめたところ、チンパンジーでは15集団で152件の殺し(観察例58件、推定例41件、疑い例53件)が認められた一方、ボノボでは疑い例が1件でした。多くの例では雄が加害個体(参加個体の92%)および被害個体(73%)であり、集団間の攻撃に関わる殺しが多く(66%)、加害個体数が被害個体数を大きく上回っている(中央値で8対1)こと、殺しの発生率の変異は人為的影響の指標とは無関係であることがわかりました。今回の結果は、チンパンジーの殺しについてこれまでに提唱されてきた適応論的説明に当てはまる一方、人為的影響によるとする仮説の裏付けにはなりませんでした。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2014/140919_3.html

学者の表現だと何が言いたいのかよくわかりませんけど、まずは、ボノボには同種殺しの例がないということです。いっぽうチンパンジーには頻繁に観察されるわけですが、人間が森を開拓したことでエサが減り、奪い合いからチンパンジーが殺し合っているという説を裏付けるものはなく、チンパンジーの本来の性質から同種殺し(ほとんどがオスの殺し合い)をしていることがわかった、という意味なんでしょう、たぶん。

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