掲載2010年9月14日
内容紹介・訳者メモ
牛乳というのは、直接飲むだけでなく、意外なまでに広範な加工食品にも使用されている(原材料に「乳糖」「ラクトース」と記載されている)。今回問題になっている「成長因子」という言葉でふと思ったが、西洋人の体格が大きく、老化が早いのは、牛肉もさることながら、牛乳製品の摂取が多いせいなのかもしれない。
日本では遺伝子組み換えrBGHは禁止されているということであるが、同じブランドでも日本で販売されているアイスクリームは材料が違うということなのかまでは確認していない。ただ、rBGHミルクが材料になくとも、普通に販売されているアイスクリームは有害物質(遺伝子組み換え異性化糖、遺伝子組み換え植物油)の結晶のようなものである。死んでもいいから食べたいとき以外はやめたほうがいいだろう。少なくとも、マンモグラフィー検査を受けてまで乳癌のことを心配しながら、アイスクリームを食べるのは相当矛盾した行動である。
なお、牛乳には遺伝子組み換え以前に深遠な問題がありそうであり、後日まとめてみたいと思っている。
また、遺伝子組み換えrBGHホルモンについては、『完全支配・アグリスーティカル編』にも詳述されているのでご参照いただきたい。

そのアイスクリームはモンサントの人工ホルモン入り?
Is Your Favorite Ice Cream Made With Monsanto's Artificial Hormones?
ベン&ジェリーズ(米国のアイスクリーム会社)は、モンサントが開発した遺伝子組み換えウシ成長ホルモン(rBGH)を注射していないことを保証した酪農会社からのみ牛乳を仕入れている。ではなぜ、ハーゲンダッツ、ブレイヤーズ、バスキン・ロビンス(サーティワンアイスクリーム)は同じことができないのか?
この3つのアイスクリーム・ブランドは、rBGHを注入した牛乳を使用し続けている。カナダ、ニュージーランド、日本、オーストラリア、EU全27カ国で禁止されたホルモンだ。厚かましいことに、ハーゲンダッツとブレイヤーズは、そうした材料を使っていながら、自らのアイスクリームを「全て自然」だと言っている。
ジョン・ロビンズは、ハフィントン・ポスト(Huffington Post)で、以下のように書いている。
牛に遺伝子組み換えホルモンを注入すると、牛乳中にIGF-1という物質の濃度が上昇する。モンサントの自身の調査で、rBGHを注射された牛のミルクでは、IGF-1が2倍以上になったことが明らかになっている。中立系の研究者による調査では、6倍もの増加も示されている。 rBGHを注入された牛のミルクに見られる過剰なIGF-1は、乳癌、結腸癌、前立腺癌の深刻なリスクを生じる可能性がある。
IGF-1の血中濃度がやや上昇するだけで、閉経前の女性の乳癌リスクは最大7倍も高くなる。
(引用元)

マーコラ博士のコメント
米国の牛乳の大部分が実は遺伝子操作されていたと知れば驚くだろう。この牛乳および牛乳を材料とするアイスクリーム、チーズなど無数の乳製品は、遺伝子組み換えされたウシ成長ホルモン(rBGH)を成分としている。
米国の牛乳メーカーは、産乳量が増えるので乳牛にrBGHを与えている。しかし、この人工成長ホルモンで牛の乳房感染症も増加し、ミルクに膿汁が生じるとともに、抗生物質の過剰使用ももたらしている。そしてこれが更に、抗生物質の効かないスーパー細菌を発生させたり、酪農製品に抗生物質が残留することになる。
更に悪いことに、rBGHを施されたミルクには、高レベルのインスリン様成長因子(IGF-1)が含まれる。このホルモンは、人間の乳癌、結腸癌、前立腺癌に関係している。
そもそも何故、この発癌性ホルモンが承認されたのか?
今度アイスクリームや牛乳を買いに行く前に、rBGHが世界的には一般に使用されていないホルモンであることを知っておくことも興味深いだろう。カナダ、ニュージーランド、日本、オーストラリア、EU全27カ国では禁止されている。
カナダで食用生産の動物に与える「薬物の人間に対する安全性評価」に17年間携わってきたShiv Chopra博士は、rBGHの薬物安全性評価の資料を初めて目にしたときの印象を述べている。
「私は心配になった」と彼は言った。「それで疑問を投げた。成長ホルモンだったから(略)私が提起した問題は、きわめて単純で普通の科学的な疑問だった。
食用生産動物に何かを投与する場合、両国[カナダと米国]の法律により、企業はそれが無害であること、究極的には当該製品を消費する人間にとって無害であることを証明する義務がある。
だが、彼らは、検証してほしくないと言った。遺伝子組み換えされているとはいえ、牛が生成するものと同じホルモンだから、検証する必要はないと言ったのである。
私は、そこに問題があるのではないと言った。たとえ牛から得た天然のホルモンであったとしても、過剰に与えれば、ちょうどインスリンを過剰摂取すれば死ぬこともあるのと同じだ(略)
「あなた方は、法律に基づいて実験動物で検証すべきだ」と私は言ったが、彼らは望んでいなかった。
Chopra博士がカナダにおけるrBGHの安全性判断のために要求した研究結果は何ら提出されず、彼は承認を拒否した。
ところがFDA(米国の食品医薬品局)は、全米の消費者団体から抗議があったにもかかわらず、先走って1990年代前半にrBGHの使用を承認した。FDAは、市販前にrBGHを適切に検証することさえ要求しなかった。
通常の場合、新たな生化学製品・動物用医薬品の検証には、数百匹のラットを使った24ヵ月の検証を行うのが標準である。だが、rBGHの場合、30匹のラットで90日間検証されただけだった。
FDAにrBGH承認を促したのは何か?
rBGHのメーカーであるモンサントで広報担当副社長・議会工作担当だったマイケル・テーラー(Michael Taylor)は、現在FDAの食品担当次長( Deputy Commissioner of Foods)である。
マイケル・テーラーとは何者か?
GM食品の危険性を訴えている指導的存在のジェフリー・スミスによると、テーラーは「GMO政策の作成を総監した」だけでなく、モンサントのrBGHに関する政策も総監していた。
テーラーがFDAにいたときに、米国でホルモンが承認されたのである。その後間もなく、テーラーは、FDAを去り、モンサントの副部長・議会工作担当になった。現在はまたFDAに戻っている。
rBGHを承認したテーラーの決定は、FDAの歴史でも最も論争の的となったものの1つであり、多数の科学者(FDAで働いていた科学者さえもいた)、農業者、政府首脳の意見とも衝突していた。
スミスは述べている。
テーラーは、注射された牛のミルクに特別な表示義務を課さないことも決めている。その上、将来の雇い主モンサントへのプレゼントとしてテーラーは、「rBGH未使用」を謳った食品表示を大胆にもする企業があれば、「FDAによると投与の有無により牛乳に差異はありません」という但し書きの記載をしなければならないという内容の白書まで書いている。
このテーラーの白書(これは虚偽だ。FDAの科学者でさえrBGHミルクの違いを認めていた)により、モンサントは、「rBGHフリー」の食品表示をした乳製品会社を訴えることができるようになったのだ!
まさにそういうことだった。健康的な牛乳を提供しようとするメーカーは、「rBGHフリー」と表示することができなくなった。もし表示する場合は、「rBGHには既知の健康リスクは無い」という大きな但し書きが必要になった。
だが、これは全くの嘘である。
rBGHを含む全ての乳製品を避けるよう勧める理由
rBGHミルクの危険性に関する科学的な根拠は、Dr. Epsteinの『あなたのミルクに何が入っている?』という本に大変詳しく記述されている。Samuel Epstein医学博士(イリノイ大学公衆衛生学部の学者)は、癌予防の最高権威の1人である。彼は長年、牛乳のrBGH(牛のコカインと言われる)に反対してきた。
博士は書いている。
[rBGHミルクには]IGF-1という天然の成長因子が非常に高レベルで含まれている。
IGF-1とは、「インスリン様成長因子1」の略である。成長因子1は、天然の成長因子であり、正常な成長の因子であるが、rBGHの牛乳を飲むと、この天然成長因子のレベルが非常に高くなる。
IGF-1は消化過程を生き残り、小腸から直ちに吸収され、血液に入り込む。
IGF-1が増加すると乳癌のリスクが上昇することが示されている。約20件の公刊資料で示されている。結腸癌については約10件の公刊資料、前立腺癌については約10件の公刊資料で示されている。
更なる懸念もある。IGF-1が増加すると、早期癌を阻止する身体の自然のメカニズム(アポトーシス、細胞自滅)が妨害される。
これらのリスクは、実に明確であり、なぜ世界百カ国を代表する国連のFSA(食品安全機関)が1999年にrBGHミルクの安全基準を設定しないことにしたかも自明である。同機関は、基本的にヨーロッパ全土で米国の牛乳を禁止した。
それが正しい。健康リスクが高すぎるため、ヨーロッパ人、オーストラリア人、日本人、カナダ人はrBGHミルクを飲んでいない。
残念ながら、米国に住んでいれば、たいていのスーパーでrBGHミルクを目にすることになる。牛乳だけでなく、アイスクリーム、チーズ、ヨーグルト、サワークリーム、その他乳製品であれば、何でも入っている可能性がある。
食品の分野で本物の変革を促そう
表示が義務付けられていないため、あなたもrBGHミルクを飲んでいる可能性は極めて高い。ほとんど全てのアメリカ人が食品表示を望んでいる事実にもかかわらず、いつもながら業界のロビイストに媚びる政府は、表示を義務付けない。
だが、一般の人々も乳製品会社も、rBGHを避ける傾向にあることから、「rBGHフリー」もしくは類似の表示を見つけることができる。オーガニックの牛乳も、rBGHが含まれていない。この危険なホルモンを含む牛乳・乳製品よりも間違いなく望ましい。だが、私はオーガニックであろうとも、殺菌された牛乳を飲むことはお勧めしない。
親しく知っている信用できる小規模な酪農場の牛乳を飲むことで、rBGHと殺菌のリスクを避けることができる。もし健康を守りたいならば、これが牛乳を飲む唯一の方法である。
読者の多くも、ときおりアイスクリームを食べると思うが、その際にはrBGHの危険にさらされることになる。牛乳と同様に、生の牛乳を使って自家製のアイスクリームを作ることでこのリスクを避けることができる。ブレイヤーズやドライヤーズといった大手のアイスクリーム・ブランドのものを買うならrBGHが含まれているだろう。
さて、社会責任を果たす医師団(PSR)は、これら2社のアイスクリーム大手メーカーにrBGHの使用を止めさせるため、大きな活動を組織している。
私は、たまになら良いが、こうしたデザートをあまり食べることはお勧めしないが、それでもrBGHの使用を止める企業が増えることは、アメリカ国民の健康にとっては勝利である。
あなたもブレイヤーズとドライヤーズにrBGHの使用を中止するように要望したいならば、その方法をPSRが説明している(リンク)。
これまでのところ、スターバックス、ベン&ジェリーズ、ヨープレイ(Yoplait)、ダノン(Dannon)といった大企業が、消費者の要望に応じてrBGHの使用を中止している。皆で協力しあい、モンサントのrBGHが食品市場から完全に退場するまで、この動きが続くことを願いたい。
(翻訳:為清勝彦 Japanese translation by Katsuhiko Tamekiyo)
原文の紹介・関連情報
原文 Is Your Favorite Ice Cream Made With Monsanto's Artificial Hormones?








